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学部・学科紹介

講義概要
区分
社会理解領域 単 位
選択
科目名

法学概論Ⅰ(憲法含) 

2
担当者
山手 正史[兼任] 配 当
1
開 講
前期
授業形態
講義
授業の概要
 売買契約、交通事故、会社、結婚などの身近な事象にまつわる法律の話を出発点にして、憲法を中心に、日本の法状況、司法制度、世界の法状況などについて講述する。
到達目標
 具体的目標は、これからの人生において役に立つ実践的な法律知識を得るとともに、あらゆる法律の礎である憲法についての理解を深めてもらうことである。それを通じて、「法とは何か」すなわち「正義とは何か」ということについての一定の識見を養ってもらう。
授業計画
第1回
Ⅰ この授業について:学問の自由と大学の自治(憲法23条)
Ⅱ 法律の種類
 ①六法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)
 ②法における実質的意義と形式的意義
   ・たとえば実質的意義における憲法と形式的意義における憲法
    →近代的意義(立憲的意義)の憲法
     →基本的人権の尊重(憲法10条-40条、97条)
      →硬性憲法(憲法96条:普通の法律より厳格な改正手続)
       →硬性憲法であることと戦争放棄(憲法9条、99条)
 事前学習:レジュメをパラパラと読んでくる。僕が話している言葉(音)を聞いて、漢字が思い浮かぶ程度の予習は必要である。
 事後学習:レジュメと六法の該当条文を読んで復習する。
 2単位の授業なので、授業時間を含めて60時間の学習が要求される。それが2単位ということの意味であって、それ未満の学習時間しか要求しないことも、それを超える学習時間を要求することもおかしい。
第2回
 ③公法(憲法、刑法など)と私法(民法、商法など)
  ・公法と私法の相対性:憲法の私人間適用
  ・独占禁止法の多様性:民事的規制・刑事的規制・行政的規制
   →交通事故を起こした場合の民事的・刑事的・行政的制裁
 第2回以降も第1回の箇所で記したのと同様の事前学習および事後学習が要求される。
第3回
 ④実体法(憲法、民法、刑法、商法など)と手続法(民事訴訟法、刑事訴訟法など)
 ⑤一般法と特別法
  ・たとえば民法と商法における利息の違い
   →借金をすればどうなるか(利息制限法など)
第4回
Ⅲ 法律家
 ①法曹三者:裁判官・検察官・弁護士
 ②統治機構の概要
  ・三権分立:国会・内閣・裁判所の関係(憲法41条-82条)
 ③裁判所の構成
第5回
 ④日本の法曹養成制度
  ・司法試験
  ・法科大学院制度の行きづまり
第6回
Ⅳ 法源(法の存在形式、裁判官の拠り所)
 ①憲法76条3項の「法律」とは:制定法、慣習法、判例など
 ②制定法国(日本、ドイツ、フランスなど)と判例法国(英国、米国など)
 ③公法分野と私法分野における判例の位置づけの違い
第7回
 ④慣習・判例による法創造
  ・物権法定主義の例外:たとえば抵当権・質権に対する譲渡担保
   →住宅ローンの仕組み:種々の担保、損害保険と生命保険
 ⑤渉外的法律関係における慣習の重要性
第8回
【第1回小テスト】
Ⅴ 日本の法文化
 ①大陸法系(日本、ドイツ、フランスなど)と英米法系(英国、米国など)
  ・合理論的(社会契約論的)法文化と経験論的法文化
第9回
【第1回小テストの講評】
 ②日本の民法の根底に流れる社会契約論的思想(デカルトやルソーの思想)
  ・民法の体系
第10回
  ・売主に契約違反があった場合に買主に与えられる救済
    履行請求権、損害賠償請求権、契約解除権
第11回
【第2回小テスト】
  ・日本の民法の歴史的背景
    市民革命後(19世紀型)の民法
    「契約は守らなければならない」という社会契約論的法思想
第12回
【第2回小テストの講評】
 ③社会契約論の公法的展開
  ・民主主義ないし国民主権
  ・基本的人権
    職業選択の自由(憲法22条)→営業の自由
    結社の自由(憲法21条)→会社設立の自由(準則主義)
    財産権の保障(憲法29条)
第13回
 ④市民法原理
  ・所有権の絶対性・契約自由の原則・過失責任の原則
 ⑤市民法原理の修正
  ・社会権
    生存権(憲法25条)、労働基本権(憲法27条、28条)など
  ・社会法
    労働法、経済法、消費者保護法など
第14回
 ⑥営業の自由・結社の自由の具体化
  ・会社:自由主義経済における最も重要な基礎単位
  ・会社の種類:株式会社・合名会社・合資会社・合同会社
  ・株式会社の種類
    公開会社と非公開会社、上場会社と非上場会社など
  ・株式会社の組織構造
    株主総会、取締役、代表取締役、監査役など
第15回
Ⅵ 国境を越える私人の活動と法:国際取引や国際結婚
 ①国家ごとに法が分立している法状況
 ②どこの国の法を適用するか
 ③世界的な法統一は可能か
  →条約と憲法との関係(憲法98条)
成績評価と基準
 学期末試験(70%)と、小テストの成績・出席率を含む平常点(30%)とを総合して評価する。
履修上の注意
 法というものは体系的に理解しなければならない。知識の切り売りはできないということである。連続ドラマを見ていて、1回でも見逃すと、訳が分からなくなったり、まったく面白くなくなるのと同じである。要するに、無遅刻・無欠席・無早退でない限り、ほぼ確実に訳が分からなくなる。
教科書
  特定の教科書は使用しない。レジュメを配布する。受講に際し、「デイリー六法」(三省堂)、「ポケット六法」(有斐閣)、「セレクト六法」(岩波書店)などの小型の六法を必ず携帯すること(復習の際にも必要)。この授業に関する限り、2、3年前のもの(古本屋さんやネット通販でタダみたいな値段で売っている)でも差し支えない。
参考書・参考資料等
 授業中に随時指示する。
オフィスアワー
 授業の前後に教室または講師控室において質問ないし相談を受け付ける。慶應義塾大学(三田)またはグラディアトル法律事務所(新宿)まで来てくれるのであれば、随時受け付ける。