Hospitality Design of Hospitality Design(西武文理大学)

20100728fits 015.JPG”purple,orange and green” CT of coL-Lab

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「ホスピタリティ・デザイン」という考え方

「学ぶ」ということを考える
教室での実感ですが、学習はひとりでするもので、教科書から多くの知識を獲得し、学問を体系的に究めるものだという、これまでの学習観だけでは、学習者の欲求を満たし、世の中が大学に寄せる人材育成の期待に応えることが出来なくなってきているような気がします。現代の大学教育の課題は、学習者に「意欲」、「コミュニケーション能力」そして「考える力」をどのようにつけさせるかにあり、そのためにいろいろな工夫がなされています。学習者にとって、知識を多く獲得することは大切かもしれませんが、何かひとつのことが出来るというのもそれ以上にとても大切です。
実験的かもしれませんが、我々の取り組んでいるチームによる実践的学習では、参加(意欲)を通じて学習者同士が教えあい、学びあうことでたどり着く理解、(コミュニケーション能力や考える力につながる)に焦点を当てています。ひとりで学習していても、決してたどり着けない理解があるのではないかという発想です。
本学で実践している学習チームでは、教員はファシリテーター的な役割を担い、学習チームの構成メンバーは学年やゼミなどの集団を超えて形成されています。さらに、すでに学習経験のある学生をSAとして学習チームに参加してもらい、教えあい学びあえる学習環境を整えました。次第に授業自体にノウハウが蓄積され、それが伝承されるようになりました。イメージとしては、徒弟制度や部活のような感じですが、部活のような鬼監督はいません(笑)。
学習者にとっての学習の場は教室の中だけに限定されるものではありません。アルバイト先やコミュニティも学習の場です。この取組みの学習では、なるべく、インターンシップのような就業体験や企業へ出かけて行きインタビューをおこなうといった体験や実習と教室での学びをセットにするように心がけています。
第1には、教室の中の学習には答えがあることがほとんどですが、仕事の中の学習ではほとんどの場合に答えがないことが多いでしょう。出した答えは、きっとこれが正解だと思うとか、後にならないとわからないとか、ベストじゃないかもしれないがベターだ等のケースがほとんどです。学習は答え合わせのできるものよりも、みんなで話し合ってチームとしての答えを出すプロセスにあるということを実感してもらいたいと考えます。
第2には、学習者が就業体験やインタビューにいくことで、自ら問題や課題を身近に発見するきっかけとなります。
第3には、体験・実習型の学習では、その時の課題が解決すべきものに限定されていてその方法や対応は実践的だからです。すなわち、学習のゴールが分かりやすいのです。問題解決型の学習は、調べなければいけない知識や、考えなければいけない問題、乗り越えなければいけない課題などを提供され、学習チームに共有する課題が提示されるので、参加者は知識を獲得することや課題解決の意味がわかりやすいのです*1。
第4には、実習・体験学習に学生が参加することで、教室での学習との境界でコンフリクトを感じ、それを発展的に解決しようすることを期待しています。
本学の学習チーム”col-Lab”では、学習者に学習権をわたし、多様性を保証すること、そしてそれぞれの価値観と学び(知)をつなげるための共同体による力のある実践を目指しています。


なぜ、ホスピタリティ・デザインなのか
ホスピタリティとは一般的にはおもてなしを意味します。おもてなしは、気持ちの問題で、形はなく、目には見えません。アーティストがイメージや想いといった形のないものにかたちを与えるのと同じように、おもてなしや心づかいをデザインしたい。企業はそれらをデザインしています。マイクロソフトも、アップルも、ソニーも、トヨタも、ハイアットやヒルトンも・・・。
プラットフォームの上にどのような形を作るか、誰のための形を作るか、これがホスピタリティ・デザインだと思います。いままでにない、まったく新しいプラットフォームを作るのは、ひとりのクリエイティブな天才のアートだと思います。私たちは、既存のプラットフォームに、こんなのがほしかった、それは自分だけのものだと思ってもらえるような形をデザインしたい。それが心づかい、優しさ、便利さ、スロー、目を見て通じ合えるような環境のデザインだったりするでしょう。「チームへの参加を通じて学ぶ」という”CoL-Lab”のコンセプトだからこうしたことを実践できるのかもしれません。

(TOKUDA)

*1 美馬のゆり、山内祐平著 『「未来の学び」をデザインする』東京大学出版会。p175.参照。






Reference

美馬のゆり・山内祐平『「未来の学び」をデザインする』東京大学出版会
中原淳編著 荒木順子・北村士朗・長岡健・橋本諭『企業内人材育成入門』ダイヤモンド社
Jean Lave and Etienne Wenger "Situated learning Legitimate peripheral participation"Cambridge Universit Press 佐伯胖訳『状況に埋め込まれた学習』産業図書
三宅なほみ・白水始『学習科学とテクノロジ』放送大学教育振興会



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