1. HOME
  2. トピックス
  3. お知らせ
  4. サービス経営学部藤野ゼミの4年生が卒業論文の研究でマテックス株式会社を訪問

藤野ゼミの4年生が卒業論文の研究でマテックス株式会社を訪問

サービス経営学部藤野ゼミの4年生が卒業論文の研究でマテックス株式会社を訪問

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
サービス経営学部藤野ゼミの4年生が卒業論文の研究でマテックス株式会社を訪問

サービス経営学部の藤野洋教授【専攻:中小企業論、持続可能な開発目標(SDGs)】と藤野ゼミの4年生2人が2023年11月1日にマテックス株式会社(東京都豊島区)を訪問しました。

訪問の目的は、エシカル消費や中小企業の人材育成・生産性向上などをテーマとして研究する学生が卒業論文を作成するための情報を聴取することです。

同社は、ガラス・サッシなどの卸売り、樹脂窓などの製造加工、ガラス・サッシ販売店や工務店の支援を行っている企業です。特に、「エコ窓」(特殊ガスが充填されたペアガラスの窓)の普及に力を入れています。

代表取締役社長である松本浩志氏があらかじめお知らせしておいた各学生の質問にお答えいただくとともに、学生の問題意識の深堀りに資する追加的なご説明もしていただきました。
【松本社長からのご説明の抜粋(順不同)】
・窓は、夏季の熱の流入、冬季の熱の流出の主な経路となるため、窓をエコにすることがエネルギー・電力消費、ひいてはCO2の排出の削減に資する。
・「エシカル消費」という言葉は近年普及の初期段階にあるが、扱っている「エコ窓」がエネルギー・電力消費とCO2の排出の削減に資するエシカルなものであるため、社内での「エシカル消費」という言葉に対する認知度は社会の平均と比べると高いと思われる。
・当社では現在、住宅のリフォームや新築を行う皆様にエシカル消費をさらに展開すべく、「cycleglas(サイクルグラス)」という取り組みを目指している。これは、お取引先から情報をいただいて、芸術性の高い模様が施されたものも多い昭和期の貴重な型板硝子(20年以上前に製造中止となっている)を建物の建て替え現場で回収し、リユースする取り組みである。cycleglasの活用による循環型ビジネスモデルの構築を目指している。
【cycleglas(サイクルグラス)の例】

・エシカル消費の一段の普及には、教育が大事であることは間違いない。特に消費者の意識変革も必要だろう。現在の①「消費」【使ったら「消」えてしまう】から、②「省費」【使う量をリデュース(「省」資源)、リサイクル(循環)、リユース(再利用)】、さらには③「承費」【エシカルな製品・サービスが一般的な場合に比べて高価であることを「承」認したうえで使う】という形での変革が求められるようになると考えられる。
・当社は自社だけが売り上げ・利益を上げればよいという考え方を採っていない。地域社会や取引先であるガラス販売店や工務店とともに繁栄していくことを目指している。敷衍すると、私たちの経営価値観は企業の存続のために適切な利益を確保し、経済的価値を高めるとともに、社会や地球環境の課題解決に資する社会的価値にも重きを置いている。さらに、従業員やお取引先の皆さまの精神的な向上に資する文化的価値を高めることにも力を入れている。文化的価値を高めることによって、従業員がお取引先や地域社会の発展を考慮したエシカルなビジネスを行うことにつながると考えている。

・当社自身もCO2の排出削減には力を入れており、2013年に1,068トンだった排出量を2022年には630トンに削減した。2030年には481トンまで減らすという目標を掲げている。

・従業員の成長には非常に気を配っているが、その前提として、会社の価値観であるコアバリューを社員全体で共有してもらえることを重視して新卒採用と中途採用を行っている。

・従業員の精神的な成長を支援するために、当社では「家庭」と「職場」の2ヵ所だけでなく、第3の場所、すなわち「サードプレイス」が重要と考えている。インフォーマル・パブリック・ライフの中核となる場である「サードプレイス」で知人・友人たちと気軽に出会って話をすることを通じて、新しいつながりや発想が生まれることが期待される。

・このため、当社は暮らしの内と外の境界をつかさどる「窓」と、知の探究と構想力を育む「本」をモチーフとしたサードプレイスとして「HIKARU IKEBUKURO 01 SOCIAL DESIGN LIBRARY」を開設した。cycleglasを活用した美術館のようなライブラリーとシェアオフィスで構成されており、「窓」の事業ドメインの垣根を超えた社会課題に挑むインキュベーションと、未来志向の人的・知的ネットワークを築くHUBとして育てていきたいと考えている。

【松本社長(向かって一番左)のご案内によるHIKARU IKEBUKURO 01 SOCIAL DESIGN LIBRARYの見学】

松本社長をはじめとするマテックス株式会社の皆様のご厚意で、訪問した学生は、地域の企業の経営実態と地域・社会への貢献についてのお話をうかがうという貴重な経験と卒業論文の作成にとって参考になる多くの学びを得ることできました。

なお、同社については、藤野教授が紹介した以下の記事もご覧ください。
「『卸の精神』と『エコ窓』で脱炭素と地域活性化に貢献」元気das® biz2023年9月11日発行(編集・発行所/㈱シーズン元気das® biz編集室)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加