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講演会「多様な起業のかたちと準起業」を実施

サービス経営学部藤野ゼミ(3年)で講演「多様な起業のかたちと準起業」が行われました。

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サービス経営学部藤野ゼミ(3年)で講演「多様な起業のかたちと準起業」が行われました。
2024年531日、サービス経営学部の藤野洋教授(専攻:中小企業論他)の3年生のゼミにおいて、「多様な起業のかたちと準起業」をテーマとする講演が実施されました。

講師は、株式会社日本政策金融公庫総合研究所(以下、「日本公庫総研」)の主席研究員であり、起業について多くの調査・研究をご発表されている桑本 香梨(くわもと かおり)氏です。桑本主席研究員には昨年(https://www.bunri-c.ac.jp/topic/news/a109)に引き続いて3年生のゼミでご講演をいただきました。

 ご講演では、金融業という「産業」に属すとともに政府金融機関として「公的機関」でもある「1.日本公庫および総合研究所について」どのような役割・業務を担っている機関なのかについてご説明いただいた後に、これまでの桑本主席研究員のご研究を基に「2.多様化する起業のかたち」「3.意識せざる起業『準起業』」について、日本公庫総研が実施している「新規開業実態調査」「起業と起業意識に関する調査」や多くの事例を基にご説明をいただきました。

 「2.多様化する起業のかたち」では、女性やシニア層の起業の増加について、女性ならでは発想により産業の多様化に寄与するベビーマッサージ教室や女性の雇用機会を増やす白髪染め専門美容院、定年後のやりがいを得るためのギャラリーの運営や趣味が高じて創業したフライトシミュレーター体験施設等、多くの起業の事例を基にお話しをいただきました。こうした起業の多様化・増加の背景には起業費用の低下と1人での開業などの小さな起業、無店舗での開業などが広がっていることが背景にあるとのことです。

 「3.意識せざる起業『準起業』」では、実態は自営しているにもかかわらず、その働き方を自営とも勤務とも認識していない人がいるのではないかとの認識を基に、18歳から69歳の2万人に対するアンケート調査の結果として「準起業家」を概念化したことと、以下の「準起業家」の要件をご説明いただきました。

 (「準起業家」の要件)
◆「現在事業を経営している」と回答していない
◆勤務収入以外に過去 1 年間に 20 万円以上の収入(経費を除く。年金や仕送り、不動産賃貸による収入、金融等不動産収入は対象外)
◆上記収入を得始めてから 5 年以内で、かつ今後も継続して得ていく予定である

アンケート調査によると、一般的な「起業家」が1%未満であるのに対して、「準起業家」は5%超であり、①女性の割合が高い、②若年層が多い、③ほぼ全員が複数の収入源をもつ、④8割以上が副業を起業し、⑤その事業に充てる時間は短い、⑥収入増を目的として起業し、⑦月商規模は小さいものの、⑧採算は黒字を維持し、⑨コロナ禍の期間中も増加しており、⑩本格的な起業への関心が高く、⑪関心がある人の5割近くが10年以内に本格的な起業を予定している、などの調査結果をご説明いただきました。

ご講演中の桑本主席研究員

講演の最後には、次のようなまとめをしていただきました。
まとめ】
  ◆創業は多様化、小規模化が進む
  ◆創業のハードルが下がるなか 、勤務と自営の境界があいまいな「 準起業家」が増加
  ◆準起業を通じて経験を積むことが、本格的な起業に対する関心を強めることにつながっている

 講演終了後には、学生との間で質疑応答と意見交換を行い、学生からも活発な質問・発言があり、桑本主席研究員から的確な回答・コメントをいただきました。
講演を聴講する学生

日本が直面している産業構造の変化によって、働く個々人のキャリアパスの選択肢も「就職」だけでなく、「起業」や「準起業」へと多様化しており、学生にとって、桑本主席研究員のご講演は良い学びの場となりました。

また、桑本主席研究員には、学生・教員とともに狭山市制施行70周年記念の写真撮影にもご参加いただいきました。
狭山市制施行70周年記念の写真撮影 (狭山市の公式X(旧Twitter)掲載の写真とは異なります。

なお、この講演の実施に際して、本学SIC(サービスイノベーションセンター)のサポートを受けており、日本公庫総研(産業界・公的機関)と本学(学界)の産学官連携による人材育成としても位置付けることができ、有意義な社会貢献の取り組みにもなりました。

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